便秘や下痢に悩んでいる方,いらっしゃいますよね。
便秘は体質もありますし,
それによってお腹が張った感じがしたり…
放屁に悩んだり…
お手洗いに時間がかかってしまったり,
力むことによって痔っぽくなってしまったり大変ですよね。
下痢であれば通勤電車や授業中,テスト中等困る場面は多々あります。
今回は,そういった悩みの原因となりやすい便秘と下痢について,改善の方法を
市販薬の観点からお伝えしていきたいと思います。
薬を使わない便秘の改善方法についてはこちらをまずご覧ください
ファスコン整腸錠プラス
今回ご紹介するのは生菌製剤であるファスコン整腸錠プラスです。
入っている菌は
乳酸菌(アシドフィルス菌,フェカリス菌,ビフィズス菌)
納豆菌(ビオナットミン)
が含まれており,消化酵素として
ビオヂアスターゼ2000が配合されています。
どのような方に適しているかというと
下痢や便秘等で悩んでいて,
腹痛等の副作用はできれば避けたい
効くまでの時間はかかっても良いから(長くて2週間程度)マイルドな作用の薬を試してみたい
といった方に適しています。
市販薬を「試してみる」という状態の人にピッタリです。
逆に,一刻も早く症状を改善したいといった方には向いていません。
なぜこの薬なのかという点を説明していきますね。

生菌製剤とは
生菌製剤とは,腸内細菌のバランスを整えるための薬を指します。
主に腸内の善玉菌の働きを改善する目的で配合される成分です。
生菌製剤を勧める理由
基本的に生菌製剤はそれ自体が作用を及ぼすというよりは,
腸内の環境を整えるという位置づけです。
そのため,直接腸を刺激するような薬と比較すると
腹痛や効きすぎとはなりにくいと考えられますので今回オススメさせていただきました。
年齢も,5歳以上であれば使用できることになっています。
ファスコン整腸錠プラスの特徴
納豆菌が含まれている
納豆に含まれている菌で,ビタミンKを産生する菌です。
この菌株は胃酸に強いとされており,生きたまま腸まで届くと考えられます。
注意
ワーファリンを飲まれている方は飲めない可能性が高いため
飲む前に薬剤師に確認してください。
乳酸菌が3種類含まれている
これらの菌が納豆菌と合わさって,腸内環境を整えるものと考えられます。
ビオヂアスターゼ2000を配合している
消化を助ける目的で配合されているものと考えられます。
消化不良等で下痢したりといったことが起きないように配合されているものと思われます。
注意点(デメリット)
生菌製剤という特性上,
良くも悪くも作用はマイルドです。
そして効き始めまで時間がかかる可能性があり,即効性は期待しない方が良いです。
(それこそ2週間〜くらいの感覚で)
便秘や下痢は体質的なものとして割り切って長期的に飲むというイメージで飲みたい方には適していると考えられます。
牛乳アレルギーの方は飲めません!
そこそこの量のカルシウムが入っています。
9錠計算で
無水リン酸水素カルシウム1089mg→(40/136)×1089=320mg
沈降炭酸カルシウム225mg→(40/100)×225=90mg
9錠飲むと,410mgのカルシウムを摂取することになります。
骨粗鬆症の治療等で
カルシウムやビタミンDの薬(サプリメント)を飲んでいる方は
薬局へご相談お願いします。
※年齢にもよりますが,カルシウムの推奨摂取量は
1日あたり700~1000mgなので
ある意味カルシウムを補給できると考えることもできます。
結論
生菌製剤(乳酸菌とかそういうやつ)は,正直なところどれを飲んでも大して変わりません。
理由としては,私達の腸内細菌バランスは前日の食事によって大幅に変わりますし
住んでいるところや人種の違いにおいては全く違った細菌バランスとなっています。
そのため,生菌製剤の効果は結果論になります。
効き目は飲んでみるまでわからない。
効かなかったら別のものに変えていくというスタンスです。
作用もマイルドなので,
お腹の調子をちょっとずつ変えたい!
という方であれば生活習慣の改善の入り口として適していると考えられますし
試してみても良いのではないかと思います。
正直どれでも一緒というお話はさせていただきましたが,
選択肢が多くて困るという方々がいるかもしれませんので
私がそのうちの一つをご紹介させていただきました。


いかがだったでしょうか。
今回は
「お腹の不調で悩んでいる」
「市販薬で何から始めたらよいかわからない」
という方に向けての解決策をご紹介致しました。
ぜひ参考にしてみてください!
ちなみに,血栓予防の薬を飲んでいたり骨粗鬆症の薬を飲まれている方は
もしかしたら飲み合わせが悪い可能性がありますので
そういった方のために別の代案を提案させていただいております。
また,生菌製剤は基本的に使い分けがないということと,
配合されている成分の詳細が知りたい方はこちらを参考にしてください
参考
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/98/12/98_12_830/_pdf
薬剤師・管理栄養士のための 今日からはじ める薬局栄養指導 OTC医薬品どんなふうに販売したらイイですか?―「全くない」と「ほとんどない」の間にある、ふわふわ